すべてのメンバーにプロフェッショナルとして活躍してもらいたい
あいわ税理士法人
代表社員 公認会計士・税理士 石川 正敏
1960年 東京都生まれ
法政大学経営学部卒
1983年 公認会計士2次試験合格
同年 新光監査法人に入所
1992年 藍和共同事務所設立(現あいわ税理士法人)
事務所名 | あいわ税理士法人 |
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代表社員 | 石川正敏 |
設立 | 1992年(2012年11月にあいわ税理士法人へ組織変更) |
所在地 | 〒108-0075 東京都港区港南2-5-3 オリックス品川ビル4F |
ビジョン | 提案するプロフェッショナル集団 |
企業URL | http://www.aiwa-tax.or.jp/ |
クライアントへの税務・会計コンサルティングを通じた社会貢献を目指す
・・・他の会計事務所との違い、特徴はなんですか
まず、専門職の割合が非常に高い点です。現在スタッフ数は約40名ですが、そのうち一般職は2名で、残りのすべてが専門職です。専門職のうち公認会計士や税理士などの有資格者は約35名。おそらく業界内でも有資格者割合はトップクラスだと思います。当社では、基本的に記帳代行業務は行いません。税務・会計に関する総合サービスを提供しています。たとえば、組織再編や連結納税、M&Aにおけるアドバイス業務など、税務戦略に関する提案業務を行っています。
実は、開業当時は、専門分野に特化した10人ぐらいのメンバーでそれぞれの強みを生かしながらサービス提供をしていました。小粒でもキラッと光る存在、それを目指していました。しかし、連結納税や組織再編などの業務が増えると、少人数では限界が。連結納税であれば、グループ会社だけで30~40社になります。そのため、組織を大きくし、現在のような40名規模になりました。
社内組織は6名程度から成るチーム体制をとっており、専門分野によるチーム分けはしていません。担当クライアントに対しては法人・個人業務問わず、各担当者が対応します。相続税の申告業務やM&Aのデューデリジェンス業務などのスポット事案については、希望者に手を挙げてもらい、チーム外のメンバーと一緒に事案に取り組むこともあります。
二つ目の特徴としては、ビッグ4と比較しても見劣りしないクライアント規模。上場準備企業から東証一部の上場企業まで関与しており、全クライアントの約1割が売り上げ1千億円以上、100億円以上になると約3割となります。
IPO案件も毎年数件手掛けており、今年は10件程度関与できそうです。
上場を果たした後、事業の成長に伴いホールディング体制への移行やM&Aなどを検討されるクライアントも多く、クライアントの成長とともに担当者の業務範囲も広がっていきます。また海外進出においては、提携事務所の協力を得ながら、サポートしています。
・・・事務所の経営理念を教えてください。
「青は藍より出でて藍より青し」という、中国の思想家荀子の諺がありますが、若い優秀な人財を輩出し、最高のサービスをクライアントに提供し、ひいては業務を通じて社会貢献活動をしていくことです。
法人名の“あいわ”は開業当初、漢字で「藍」の字を使っていました。このころは、税理士法人制度がなかったので個人事務所でしたが、自分の名前を事務所名にしなかったのは、将来にわたって後継の人財が最高のサービスを提供していく集団であってほしいとの想いからです。
「提案するプロフェッショナル集団」を標榜しており、「クライアントに提案できることはないか」など、会議時間でなくとも隣の席のメンバーと意見交換をしたり、仲間同士で議論を交わすなど、自由闊達な事務所風土が当社の大きな特長です。
さらに、当社では、上のポジションに行くには営業ができなくてはいけないなどのハードルはありません。自身の得意分野を生かしてもらい、キャリアアップしてもらう。自身の得意分野で活躍していけば、チームとしては弱点を補いながら発展していけます。その意味で、当社では自身のキャリアプランに合わせて成長していけるような経営を心掛けています。
一生働いていただくのも自由ですし、独立も自由です。そもそも私自身をはじめ、スタッフほぼ全員が転職者です。その辺は自由に考えており、自身のキャリアを構築していく上で、この職場を使ってもらえれば良いと思っています。
・・・人材採用の基準、入社後のキャリア構築について教えてください。
有資格者だけでなく、科目合格者の採用も最近は行っています。ただ、スタッフのほとんどが有資格者なので、将来的には資格を取得してほしいと考えています。
また業務に対する積極性を最も重視しています。入社前は、貪欲に仕事をしたいという人は多いのですが、入社後は目の前の仕事に追われ、新たな業務にチャレンジしなくなってしまうことが少なくありません。当社では、クライアントのどんな要望にも応えられえるようなサポートをしていきますので、通常業務以外の依頼も多くなります。スポット業務は、希望者でチームを作って対応してもらいますので、自身の成長のためにもチャレンジしてほしいです。
・・・事務所の教育体制はどうなっていますか。
チーム内での役割分担があるので、それをしっかりとやっていけるようになれば、かなりの力が付きます。実務を通じて学んでいきます。
社内研修として、年間5日間程度、土曜日に6時間研修を行っています。講師はスタッフが持ち回りで行い、概ね年に1度は担当が回ってきます。1カ月以上かけて準備しますが、これがかなりの勉強になります。会計人は、勉強によるインプットには長けていますが、身につけた知識をアウトプットすることが苦手のようです。クライアントに説明する際にも、こうした講師の経験は非常に役立ちます。
この勉強会は、スタッフだけでなく提携する会計事務所、クライアントの経理担当者なども参加します。こうした緊張感の中での発表は貴重な体験です。
社内での講師の経験を生かして、クライアント向けのセミナー講師、外部セミナーの講師など、徐々にステップアップしていきます。
・・・中・長期の経営ビジョンを教えてください。
大規模だから良いというわけではありませんが、自分の代で100人近い規模の事務所にしていきたいと思っています。規模が大きくなってくると利益率はある程度まで下がってきますが、クライアントからの見方は変わってきます。クライアントはある程度大きな事務所に安心感を持ちます。
それと、スタッフに長く働いてもらうことを考えると、部長クラスのポストを増やす必要もあるでしょう。利益率と外部からの印象などを考慮しながら、一定規模の事務所にしていきたいと思っています。